日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2019年12月28日話をする場を作る


話し方教室を受講されている方の多くに共通した悩みがあります。

それは、話のネタを見つけることです。

話し方教室では、毎回、2分間のスピーチ実習があります。

皆さんはそのスピーチの「ネタ」探しに、毎回とても苦労されています。



確かに、朝礼などで話をするとなっても、何を話せばいいのかなかなか思いつかない、という人は多いでしょう。

では、どうすればすぐに思いつくようになるのでしょうか?

 

私たちは常日頃、新聞やテレビ、インターネットなどから様々な情報を得ています。

しかし、自分の仕事に関係するものや興味があるもの以外は、翌日には何を聞いたか、何を見たか、さっぱり覚えていません。

人は、せっかく得た情報も、それを使うことがなければ記憶に留めようとしないのです。

逆に、得た情報を活用する場面があれば、より多くのことを記憶しようとします。

 

例えば、職場や友人同士で雑談することが多く、「昨日テレビで見たんだけど~」等と話すことが日常的にあるとします。

すると、テレビを見ていて面白いと思った時などに「あっ、これ、明日みんなに話をしよう!」と考え、見たもの、聞いたものを記憶に留めようとするでしょう。

更に、職場での朝礼など、定期的に人前で話をする機会があれば、もっと積極的に情報を集めようとすると思います。

とすれば、話の「ネタ」を集めるためには、話をする機会を定期的に設ければよい、ということになります。

人に聞いてもらう話をしようとすれば、話す話題を見つけるために常に情報を広く集めますし、観察力も磨かれるでしょう。

また、見つけた話題をいい話に仕上げるために思考力や洞察力も鋭くなっていくはずです。

人前で話をすることは、ネタを探すことで自身の視野を広げるだけでなく、ネタを興味を持って聞いてもらうために思考を深くすることにも繋がるのです。

 

人前で話す機会は、職場であれば、朝礼や定期連絡会など、少ない努力で作れると思います。

そうした場を設定して、定期的に話をする機会を作ることで、お互いの考える力、その考えをきちんと他の人に伝える力が磨かれていきます。

ところで、人前で話すことには、もう一つよい効果があります。

それは、少しでもいいことを言おうとするということです。

人は日常に没入していると、現実的なことしか意識しません。

いきおい視野は狭くなり、考え方も自分中心になりがちです。

しかし、前述のように、自分の考えを人前で表現する場があれば、そう現実的な話ばかりもしていられません。

人前でする話は、教訓的なものであったり、ポジティブなものであったり、何れにしてもいい話をしようとします。

多少は格好をつけた話をするかも知れません。

しかし、それを語り続けることで、その考え方が自らにも浸透していきます。

結果、以前よりも良いものの考え方をするようになっていきます。

こうして、人前で話すにつれて、考え方が人に良い影響を与えるものに変化していきます。

まさにいいことずくめですね。

是非、職場などでお互いの考えを述べ合う定期的な場を作ってみてはいかがでしょうか。
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